爆発的な笑顔が印象的なアーティストJoan Otieno。
ゴミからアート作品を作り上げるアーティストJoanのアトリエがあるのは、ケニア・ナイロビ郊外にあるスラム街。 街にはゴミ山が無秩序に広がり、それさえもが暮らしの一部である、人々はそこで暮らしを営んでいます。

彼女がなぜ、廃材でアートを作るようになったのか。
遡るのは、彼女の幼少期。
ナイロビ郊外の彼女の暮らすエリアには、成長と共にゴミの山が増え始めていました。環境への関心が強かったJoanにとって、そんな無責任な光景は見るに耐えないものでした。ゴミが積み重なっていくのと同じように、彼女の中にも怒りや苛立ちが積もっていきます。けれど、ただ怒っているだけでは何も変わらないと気づいたジョアンは、行動を起こします。それが、再利用できそうな廃材を集めて、作品を作ることだったのです。
両親の勧めもあり進んだ大学を卒業後は、画家としてのスキルを確かなものにし、「ゴミを宝に変える」という活動も続けていきました。


さらには、アトリエには子供たちが集まり、一緒にゴミでお洋服作りをしています。定期的にファッションショーを行うなど、子供達の未来のための活動にも力を入れています。
そんな彼女が描くアフリカ女性。それは、「Chama Woman」
Chama Womanとは?
お金を集めて地域に還元する婦人会の方々。

それは強く、創造的で、優しく、
自立している女性。
お金を集めるのではなく、
自ら創り上げて、還元する新しいChama Womanを目指している。
スラム街にあるアトリエ裏には小さな農園ができていました。
地域の女性たちの自主性を育む為に、
彼女たちに野菜を育ててもらい現金収入に繋げているそうです。
インパクトある目を大きく開きながら
『12名の女性が少しづつ動いていってるの!
New Chama Womanを作っていきたいの!』
と熱く説明してくれたJoan。
私が彼女の作品を素敵だと感じるのは、
この力強さとパワーが計り知れないからです。
偽善とか同情ではなく、シンプルに心に芽生える熱い想いで活動している。
『環境活動家ではないわ。自然は自然に任せるしかない。単に目の前に素材がある。だから私はコレ(ゴミ)を使ってアートを作っているだけよ』
『子どもが苦しむ姿だけはみたくないの。本当にそれが嫌なの』
純粋で強い想い。
だから、心が動く。
毎回会う度にたくさんの刺激と勇気をいただきます。
そんな魅力を作品とともに感じていただけたら嬉しいです。

